そんな疑問にお答えします。
当記事を読めば、定期点検記録簿の重要性が分かります。
中古車情報サイトで欲しいクルマを検索しているとき、説明欄に
- 記録簿あり
- 記録簿なし
と書かれているのを見かけることがあります。
記録簿には、そのクルマの点検や修理の履歴が記録されています。
そのため中古車の記録簿を見れば、前オーナーがどんなメンテナンスを行ってきたかを知ることができます。
でも、「記録簿なし」の中古車の場合は、点検記録が残っていません。
記録簿がないからと言って、必ずしも問題のある中古車というわけではありません。
何らかの理由で、記録簿が紛失された可能性だってあります。
今回は、そんな記録簿の重要性と、記録簿の利用方法を詳しく解説します。
記録簿とは何なのか
記録簿とは、正式には定期点検整備記録簿と言います。
そのクルマの点検や修理の履歴が記録されている書類です。
- 12か月点検や24か月点検といった、法定点検の整備内容を記録する
- 6か月点検など、ディーラーで行われる定期点検の整備内容を記録する
の2種類があります。
こうした定期点検整備記録簿を見れば、前オーナーがどのくらいの頻度でメンテナンスを行っていたかを知ることができます。
消耗品やエンジンオイルの交換時期も知ることができるので、次の交換タイミングを予測するのにも便利。
いわば定期点検整備記録簿は、クルマの履歴書やカルテのような役割を持ったものだと言えます。
定期点検整備記録簿から読み取れる2つの内容
定期点検整備記録簿には、これまでに行ってきたメンテナンスが記録されています。
たとえばこちらは、自家用自動車の24か月定期点検用の整備記録簿です。
この記録簿から、様々な情報を読み取ることができます。
どんな工場で整備を行ったか
整備工場の種類は、大きく3つに分けることができます。
国の指定を受けた工場のことです。
車検場のような検査ラインを工場内に用意しているので、陸運支局に代わって車検を行うことができます。
ディーラーの工場や、民間車検場などがこれに当たります。
エンジンや足回りなど、クルマの「分解整備」ができます。
地方運輸局長の認証を受けた工場のことです。
認証工場でも分解整備はできますが、検査ラインを持っていないので、車検の際は車検場にクルマを持ち込んで検査する必要があります。
こちらもクルマの分解整備ができます。
国の認証を受けていない工場のことです。
分解整備をすることができません。
定期点検記録簿には、点検を実施した整備工場名を記入する欄があります。
エンジンや足回りなど、重要なパーツを分解整備できるのは、指定工場と認定工場だけです。
一般整備工場に車を持ち込んで定期点検を行った場合は、重要パーツの分解整備ができないため、指定工場や認定工場ほどしっかりとした点検ができません。
指定工場や認証工場で法定点検を行うと、必ず事業者の氏名又は名称の欄に、指定番号や認証番号が記入されます。
一般整備工場で点検を行った場合は、こうした番号は記入されません。
しっかりとした点検が行われてきたかどうかは、指定番号や認証番号が記載されているかどうかチェックすることで確認できます。
部品の交換タイミングで、クルマの状態がイメージできる
定期点検整備記録簿には、〇・△・×といった記号でそれぞれの部品の状態が記録されます。
ほかにも様々な記号が使われますが、記号の意味は記録簿の上部に記載されています。
部品の交換がされている場合は、それが故障によるものなのか、消耗品の交換タイミングだったのかを確認しておく必要があります。
走行距離が短いのに、ブレーキパットを交換しているなどといった記録が残っていれば、そのクルマは酷使されてきた可能性も考えられます。
どんな部品がどれくらいの周期で交換されてきたかを知ることで、クルマの状態をある程度イメージすることができます。
定期点検整備記録簿が無い場合はどうすればいいのか
中古車によっては、定期点検整備記録簿が全くなかったり、一部しか残っていない場合があります。
定期点検整備記録簿が無かったとしても、そのクルマを買ってはいけないというわけではありません。
大切なのは、定期点検整備記録簿が無い理由を販売店に確認しておくことです。
定期点検整備記録簿が無い場合、考えられる3つの理由
前オーナーが紛失してしまった
定期点検整備記録簿は、大抵は車検証などと一緒にクルマのダッシュボードに入れて保管されていることがほとんどです。
「メンテナンスノート」などと書かれたカバーの中に入っています。
自動車税の支払い証明書など、カバーの中にさまざまな書類が増えてくると、必要無いと思って破棄してしまったり、紛失してしまう人も中にはいます。
販売店が破棄してしまった
最近は少なくなりましたが、悪質な中古車販売店が事故歴や修復歴を隠すために、定期点検整備記録簿を破棄してしまうこともあります。
走行距離の割には相場よりも安く設定されているなど、気になる点がある場合は購入を避けるのもいいかもしれません。
また、こうした悪質な隠蔽とは違い、個人情報を保護するために破棄されることも考えられます。
定期点検整備記録簿には、そのクルマの所有者の名前や住所を記載する箇所があります。
こうした個人情報が悪用されたり、流出するのを防ぐため、中古車販売店が破棄することも考えられます。
指定工場や認定工場で点検をしていなかった
指定工場や認定工場では、エンジンやブレーキなどを分解整備することができます。
しっかりとした整備を行った後は、必ず記録簿を発行してもらえます。
発行された記録簿には、点検整備を行った事業者の氏名又は名称の欄に、指定番号や認証番号が記入されます。
でも、一般整備工場では分解整備ができないので、記録簿を発行することができません。
定期点検整備記録簿が無い場合は、指定工場や認定工場で点検されていなかった可能性があります。
「記録簿あり」の中古車を探す方法
中古車検索サイトでは、欲しい中古車を検索する際に、記録簿の有無を絞り込めるようになっています。
定期的にしっかりとメンテナンスされてきた中古車を購入したい場合は、「記録簿あり」にチェックを入れて検索するのがおすすめです。
さいごに
定期点検整備記録簿があるからと言って、絶対に故障しないというわけではありません。
日頃からメンテナンスされてきた中古車であれば、故障の心配も少なく安心して乗ることができると思います。
また、道路運送車両法では、乗用車の場合は1年毎に定期点検を受けなければならないことになっています。
でも、定期点検を受けなかったからといって、罰則があるわけではありません。
手間とお金をかけて、大切に乗られてきたクルマでないと、定期点検記録簿がちゃんと残っていないのかもしれません。
前オーナーがどれだけ大切にクルマに乗っていたかを知るためには、定期点検整備記録簿をチェックするのがおすすめです。
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